親の皆さんに、どんな子に育ってほしい?と聞くと「自立した子に育ってほしい」という答えが返ってきます。
でも自立、って何でしょう?
大学院の入学試験の面接の時、「自立についても学びたい」って面接官に言いました。すると、「それだけで、優に2年はかかりますね」とにこやかに返されてしましました
「自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと」「他の援助を受けずに自分の力で身を立てること」学問的にも、深いテーマなわけです。
けっきょくは、中心的な研究テーマにはしなかったのですが、やっぱり「自立した子に育てたい」というのが、私の頭の中に常にあって、ずっと私の関心テーマです。
自立って?一つには、自活して一人で生きていけること。では、こんな場合はどう思いますか?
フリーターをしながら、自活している青年がいました。親に頼らずに暮らしているので、立派に「自立」しているのですが、
彼は、人と関るのが苦手だったのです。仕事中は最低限の会話しかせず、仕事が終わるとそそくさと、自分のアパートに帰る。ちゃんと親から独立して暮らしてはいるけど、それは社会的な自立とはいえないのではないか。と思うのです。
「孤立」自立と孤立とは違うんですね。
自立とは、社会の中で人と関係を持ちながら生きていくこと。楽しいことばかりではないかもしれないし、面倒なトラブルだってあるでしょう。でも、それが生きていくということ。社会の中で人と関係を持ちながら生きていくこと。それが「自立」。
人と関係を持ちながら、関わることを楽しめるように、大人になってからでなく子どもの時からコミュニケーションする力を育てていってほしい。子どもだけでなく、親子で一緒に育てていってほしい。
そんなことを思いながら、ことばキャンプや親講座を続けています。